Miniconda と Mamba のインストール
Miniconda とは
Minicondaは、Pythonとcondaパッケージマネージャーを含む軽量版のAnacondaディストリビューションです。Anacondaが数GBのサイズで多数のパッケージをプリインストールしているのに対し、Minicondaは約350MBの最小構成で提供されます。
必要なパッケージを自分で選んでインストールできるため、ディスク容量の節約と柔軟な環境構築が可能です。
なぜ Miniconda と Mamba が必要なのか
最近ではuvが主流のPython環境管理ツールとなっていますが、サイエンス系のパッケージの中にはPyPIに存在しないものがあります。このような場合、conda-forgeなどのcondaチャンネルからインストールする必要があるため、Minicondaが必要になります。
ただし、condaは依存関係の解決に時間がかかることが課題でした。そこで登場したのがMambaです。MambaはC++で実装されており、並列ダウンロードと高速な依存関係解決により、condaと比較して大幅に処理時間を短縮できます。
Miniconda のインストール
macOS(Apple Silicon)
以下のコマンドでMinicondaをインストールします。<インストール先パス>は任意のディレクトリに変更できます(例: ~/miniconda3)。
mkdir -p <インストール先パス>
curl https://repo.anaconda.com/miniconda/Miniconda3-latest-MacOSX-arm64.sh -o <インストール先パス>/miniconda.sh
bash <インストール先パス>/miniconda.sh -b -u -p <インストール先パス>
rm <インストール先パス>/miniconda.sh
インストール後、以下のコマンドでcondaを初期化します。
source <インストール先パス>/bin/activate
conda init --all
Linux(64ビット)
以下のコマンドでMinicondaをインストールします。<インストール先パス>は任意のディレクトリに変更できます(例: ~/miniconda3)。
mkdir -p <インストール先パス>
wget https://repo.anaconda.com/miniconda/Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh -O <インストール先パス>/miniconda.sh
bash <インストール先パス>/miniconda.sh -b -u -p <インストール先パス>
rm <インストール先パス>/miniconda.sh
macOSと同様に、インストール後は初期化コマンドを実行します。
source <インストール先パス>/bin/activate
conda init --all
Windows
コマンドプロンプトまたはPowerShellで以下を実行します。
curl https://repo.anaconda.com/miniconda/Miniconda3-latest-Windows-x86_64.exe -o miniconda.exe
start /wait "" miniconda.exe /S
del miniconda.exe
インストールの確認
シェルを再起動後、プロンプトに (base) が表示されれば、conda環境が正常に動作しています。以下のコマンドで確認できます。
conda list
Mamba のインストール
Mambaは、condaの高速な代替ツールです。C++で実装されており、並列ダウンロードと高速な依存関係解決が特徴です。
インストール手順
既存のMiniconda環境にMambaをインストールします。
conda install -c conda-forge mamba
これで、condaコマンドの代わりにmambaコマンドが使用できるようになります。
Mamba/Conda の使い方
仮想環境の作成
新しいPython環境を作成します。
conda create -n myenv python=3.12
環境のアクティベート
conda activate myenv
パッケージのインストール
Mambaを使ってパッケージをインストールします(condaより高速)。
mamba install -c conda-forge numpy pandas
環境のディアクティベート
conda deactivate
Pythonスクリプトの実行
環境をアクティベートした状態で、通常通り python コマンドでスクリプトを実行できます。
# 環境をアクティベート
conda activate myenv
# Pythonスクリプトを実行
python script.py
アクティベートされた環境のPythonとパッケージが使用されるため、環境ごとに異なるバージョンのPythonやライブラリを切り替えて実行できます。
conda と mamba の使い分け
基本的には、以下のように使い分けます。
- 環境の作成・削除・切り替え:
condaコマンドを使用 - パッケージのインストール・更新:
mambaコマンドを使用(高速)
Mambaを導入してもcondaが消えるわけではなく、両者は共存できます。
まとめ
MinicondaとMambaは、PyPIに存在しないサイエンス系パッケージを扱う際に必要な環境構築ツールです。uvが主流となった現在でも、conda-forgeからのインストールが必要な場合には有用です。
Mambaを活用することで、従来のcondaよりも高速にパッケージ管理が行えます。
より詳しい情報は、Miniconda公式ドキュメントとMamba公式ドキュメントをご参照ください。
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